理念を掲げるだけで終わらせない組織づくり
皆さん、こんにちは!
エデュケアライズグループ CSO、経営企画室長の山村です。
企業や法人のホームページを見ると、多くの組織が立派な理念やビジョンを掲げています。
- 「想像力は人生を魅力あるものにする」
- 「地域社会に関わる問題をありがとうに変える」
- 「自分の人生を豊かにしよう」
- 「人生に彩りを添える」
等など、どれも大切な言葉です。しかし、理念は掲げただけでは組織を変えてくれません。
壁に飾られた理念や、ホームページに掲載されているビジョンが、日々の仕事や職員の判断につながっていなければ、その理念は次第に形だけのものになってしまいます。
Educarealize Groupが目指しているのは、理念を単なる言葉で終わらせず、日々の支援、教育、介護、看護、組織運営の中で実践できる組織です。
理念は「判断の基準」である
理念とは、きれいな言葉を並べたものではありません。組織が迷ったときに立ち戻る、判断の基準です。例えば、新しいサービスを始めるかどうかを検討するとき。
売上が見込めるか、収益性があるかという視点はもちろん必要です。しかし、それだけで判断するのではなく、
- 「この事業は地域の課題解決につながるか」
- 「子どもや高齢者、障害のある方の選択肢を増やせるか」
- 「私たちの強みを生かせるか」
- 「長く地域に必要とされる事業になるか」
という視点も欠かすことはできません。職員が利用者への対応で迷ったときも同じです。
マニュアルに書かれているかどうかだけでなく、法人として大切にしている考え方に照らし合わせて判断する必要があります。
理念が組織の中に浸透していれば、職員一人ひとりが同じ方向を向きながら、自分で考え、行動できるようになります。
理念と現場の間に生まれる距離
理念が現場に浸透しない理由の一つは、理念と日々の業務との間に距離があることです。経営者は理念を理解していても、現場の職員にとっては、自分の業務とどのように関係するのかが分かりにくいことがあります。
例えば、「地域の未来をつくる」という理念があったとしても、その理念を日々の送迎、記録、保護者対応、食事介助、レクリエーション、清掃などと結び付けて考えることは、簡単ではありません。
だからこそ、経営者や管理職には、理念を具体的な行動に翻訳する役割があります。
- 「この対応は、私たちの理念のどの部分につながっているのか」
- 「この仕事は、利用者や地域にどのような価値を生んでいるのか」
- 「今回の判断は、私たちが目指す組織の姿と合っているか」
こうした問いを日々の会議や面談、研修の中で繰り返すことが、理念の浸透につながります。
経営者だけが語る理念にしない
理念の浸透というと、理事長や社長が職員に向けて話すことをイメージするかもしれません。もちろん、経営者が自分の言葉で理念を語り続けることは重要です。
しかし、経営者だけが理念を語っている状態では、組織全体への浸透には限界があります。理念は、管理職や施設長、主任、リーダー、そして現場の職員一人ひとりが、自分の言葉で語れるようになって初めて、組織の文化になります。
- 「私はこの理念を、日々の仕事の中でこのように実践しています」
- 「この施設では、理念をこのような支援に落とし込んでいます」
- 「この仕事を通じて、地域にこのような価値を届けたいと思っています」
職員がそれぞれの立場から理念を語れる組織は強くなります。上から与えられた言葉ではなく、自分たちが実践する言葉へと変わっていくからです。
採用から理念の共有は始まっている
理念を大切にする組織づくりは、入職後の研修から始まるものではありません。採用の段階から始まっています。資格や経験、技術だけを見て採用してしまうと、入職後に組織の考え方との違いが生まれることがあります。
どれだけ高い能力を持っていても、法人が大切にしている価値観と大きく異なれば、職員本人にとっても組織にとっても、働きづらい環境になってしまいます。
そのためEducarealize Groupでは、採用活動において、仕事内容や待遇だけでなく、グループが大切にしている考え方や、目指している未来について伝えることを重視しています。
私たちがどのような地域社会をつくりたいのか。
なぜ教育保育、福祉介護、経営支援、環境支援、看護といった複数の事業を行っているのか。
どのような仲間と一緒に働きたいのか。
こうしたことを丁寧に伝え、共感してくれる人と組織をつくっていくことが、理念経営の第一歩です。
制度や会議にも理念を反映する
理念を浸透させるためには、職員に理念を覚えてもらうだけでは不十分です。組織の仕組みそのものに理念を反映させなければなりません。例えば、人事評価において売上や業務量だけを評価していれば、職員は数字だけを重視するようになります。
一方で、
「利用者や家族に誠実に向き合ったか」
「他の職員や事業所と協力したか」
「地域とのつながりをつくったか」
「新しいことに挑戦したか」
「後輩や部下の成長を支援したか」
といった項目を評価に含めれば、理念に沿った行動が組織の中で大切にされるようになります。
会議も同様です。報告や連絡だけで終わる会議ではなく、理念に基づいて課題を考え、今後の方向性を話し合う場にしていく必要があります。数字と理念は対立するものではありません。
安定した経営基盤があるからこそ、よりよい支援や教育を継続できます。大切なのは、数字だけを追うのでも、理念だけを語るのでもなく、両方を結び付けて考えることです。
管理職は理念と現場をつなぐ存在
理念を現場に浸透させるうえで、特に大きな役割を担うのが管理職です。管理職は、経営者の考えを現場に伝えるだけの存在ではありません。現場で起きていることを把握し、職員の声を経営に届け、理念と実務をつなぐ存在です。
経営方針をそのまま伝えるだけでは、職員に理解されないこともあります。その場合は、自施設の状況や職員の経験に合わせて、分かりやすい言葉に置き換える必要があります。
また、職員が理念に沿った行動をしたときには、それを具体的に認め、評価することも重要です。
- 「その対応は、私たちが大切にしている姿勢を実践していた」
- 「利用者のために部署を越えて協力した点が素晴らしかった」
このような日々の声掛けが、組織の文化をつくります。理念は、大きな研修や特別な行事だけで浸透するものではありません。日常の小さな判断や会話、評価の積み重ねによって、少しずつ組織に根付いていきます。
失敗したときこそ理念に立ち戻る
組織を運営していれば、失敗やトラブルは避けられません。新しい事業が思うように進まないこともあれば、職員同士の認識がずれることもあります。利用者や家族から厳しいご意見をいただくこともあります。そのようなときに、誰か一人の責任を追及するだけでは、組織は成長しません。
- 「なぜこの問題が起きたのか」
- 「私たちの理念に照らして、どのように対応するべきだったのか」
- 「仕組みとして改善できることはないか」
と考えることが重要です。理念は、うまくいっているときだけ使うものではありません。困難な状況や判断に迷う場面でこそ、組織が戻るべき原点になります。
多様な事業を一つにつなぐ理念
Educarealize Groupでは、幼児教育、保育、学童、障害福祉、介護、訪問看護、フリースクール、日本語教育など、さまざまな分野の事業に取り組んでいます。
サービスの内容や対象となる方は異なりますが、目指している方向は共通しています。それは、子どもから高齢者まで、誰もが地域の中で安心して暮らし、学び、挑戦できる環境をつくることです。事業が増え、拠点が広がり、職員数が増えるほど、組織を一つにつなぐ考え方が必要になります。すべての事業を同じ方法で運営する必要はありません。
それぞれの専門性や地域性を生かしながら、根底にある価値観を共有することが重要です。理念は、多様な事業を縛るためのものではなく、それぞれの力を同じ未来に向けるためのものです。
理念は、一度決めたら終わりではありません。社会環境や地域の課題は変化します。利用者や家族のニーズも変わり、働く職員の価値観も変わっていきます。その中で、理念そのものを簡単に変える必要はありませんが、理念をどのように実践するかは、常に考え続けなければなりません。
昨日までの方法が、今日も最善とは限りません。理念を守るために、やり方を変えることも必要です。
- 新しい制度を導入する。
- 会議のあり方を見直す。
- 部署間の連携を強化する。
- 若手職員に権限を渡す。
- 地域の法人や企業と協力する。
こうした変化を積み重ねながら、理念を今の時代に合った形で実践していくことが求められます。
言葉から行動へ
理念が組織に浸透しているかどうかは、職員が理念を暗唱できるかでは決まりません。日々の行動に表れているかどうかで決まります。
- 利用者への声掛け。
- 保護者や家族への説明。
- 職員同士の支え合い。
- 部署を越えた協力。
- 新しい課題への挑戦。
- 地域との関係づくり。
その一つひとつに理念が表れている組織を、Educarealize Groupは目指しています。理念を掲げることは、ゴールではありません。
そこからが組織づくりの始まりです。経営者が語り、管理職がつなぎ、職員が実践する。そして、現場で生まれた実践を再び組織全体で共有する。この循環をつくることで、理念は言葉から文化へと変わっていきます。
これからもEducarealize Groupは、理念を掲げるだけで終わらせず、一人ひとりの行動と地域への価値につなげていきます。
