新しい事業は、地域の小さな困りごとから始まる
皆さん、こんにちは!
エデュケアライズグループ CSO、経営企画室長の山村です。
新しい事業というと、つい「大きな市場があるか」「どれだけ売上が見込めるか」「競合はどこか」といったことから考えがちです。
もちろん、事業として継続していくためには収益性や市場性も大切です。しかし、Educarealize Groupでは、それよりも前に大切にしていることがあります。それは、地域の中にある小さな困りごとに気付くことです。
誰かが困っている。
でも、既存のサービスだけでは十分に届いていない。
制度はあるけれど、その狭間に取り残されている人がいる。
そんな小さな声の中に、これから必要とされる事業の種があると考えています。
事業の種は、現場に落ちている
新しい事業のアイデアは、会議室の中だけで生まれるものではありません。むしろ、日々利用者やご家族、地域の方々と関わっている現場の中に、多くのヒントがあります。例えば、
「こういう支援があったら助かるのに」
「この時間帯に利用できる場所が少ない」
「相談したいけれど、どこに相談すればいいか分からない」
「子どもが学校以外にも安心して過ごせる場所が欲しい」
「高齢になって移動が難しくなった」
「家族だけで支えるのは少し大変になってきた」
一つひとつは、とても小さな声かもしれません。しかし、同じような声が地域の中で繰り返し聞かれるのであれば、それは個人の困りごとではなく、地域の課題である可能性があります。私たちは、その声を聞き流さないことが大切だと思っています。
「そういう制度はないから仕方がない」
「今の事業の範囲では対応できない」
それで終わるのではなく、
「では、どうすればできるだろう」
と考える。そこから新しい事業が始まります。
制度の間にある困りごとを見る
教育、福祉、介護、医療には、それぞれ多くの制度があります。制度があるからこそ、多くの方が必要な支援を受けることができます。一方で、人の暮らしは制度ごとに分かれているわけではありません。
子どもの課題には、家庭環境や学校生活、発達、経済状況、地域とのつながりなど、さまざまな要素が関係しています。
高齢者の生活も、介護だけでなく、住まい、移動、食事、家族関係、孤立など、多くの課題が重なっています。
そのため、制度ごとにサービスを提供するだけでは解決できない問題も出てきます。
私たちが大切にしたいのは、その「制度と制度の間」を見ることです。学校には行きづらいけれど、学びたい子どもがいる。
障害福祉サービスだけでは支えきれない家族の困りごとがある。介護保険のサービスだけでは解決できない生活課題がある。外国から来た方が、言葉や文化の違いによって地域で孤立している。そうした課題に対して、
「これはどの制度の仕事なのか」
ではなく、
「地域に必要なものは何なのか」
という視点で考えることが、これからますます重要になると思っています。
小さく始めるからこそ、形にできる
地域課題に気付いたとしても、最初から大きな事業をつくる必要はありません。むしろ、最初は小さく始めることが大切です。
- 月に一度のイベントから始める。
- 数人を対象にした取り組みを試してみる。
- 今ある施設の一部を活用してみる。
- 地域の企業や団体と一緒に取り組んでみる。
- 職員のアイデアを小さなプロジェクトとして実践してみる。
- 実際にやってみることで、初めて分かることがあります。
本当にニーズがあるのか。誰が利用するのか。どのような時間帯が必要なのか。利用者が何に価値を感じているのか。運営する側にどのような負担があるのか。小さく始めれば、途中で修正することもできます。うまくいけば広げればいい。
うまくいかなければ、やり方を変えればいい。新しい事業は、最初から完璧な形で始める必要はありません。地域の声を聞きながら、少しずつ形を変えていくことが大切です。
収益性と社会性の両方を考える
地域のためになることなら、赤字でも続ければよい。私たちは、そう考えているわけではありません。どれだけ社会的に意義のある事業であっても、継続できなければ、本当の意味で地域を支えることはできません。だからこそ、新しい事業を考えるときには、社会性と収益性の両方を見る必要があります。
- 誰のどのような課題を解決するのか。
- どれくらいの需要があるのか。
- 必要な人員はどれくらいか。
- 既存の資源を活用できないか。
- 行政や他法人、企業との連携はできないか。
- 事業として継続できる収益構造をつくれるか。
こうしたことを整理しながら、事業として成立する形を考えていきます。利益を出すことと、地域課題を解決することは、対立するものではありません。
安定した経営ができるからこそ、職員を雇用し続けることができ、サービスの質を高めることができ、新しい地域課題にも挑戦できます。社会性だけでも、収益性だけでもない。
その両方を成立させることが、地域に根付く事業づくりには必要です。
一つの事業だけで考えない
Educarealize Groupでは、教育、保育、障害福祉、介護、看護、フリースクール、日本語教育など、さまざまな事業に取り組んでいます。一見すると、それぞれ別々の事業に見えるかもしれません。
しかし、地域で暮らす人の人生という視点から見ると、すべてつながっています。
- 子どもが成長する。
- 学校を卒業する。
- 働く。
- 家庭を持つ。
- 子育てをする。
- 年齢を重ねる。
- 介護が必要になる。
外国から地域に来て生活を始める人もいます。誰もが人生の中で、さまざまな課題や変化を経験します。だからこそ、一つの事業だけで地域課題を考えるのではなく、グループ全体の資源をどう組み合わせればよいかを考えることが重要です。
例えば、教育の現場で見えた課題が福祉サービスにつながることがあります。福祉の現場で聞いた家族の声が、新しい地域支援につながることがあります。介護の現場で感じた課題が、移動支援や食事支援、新しい居場所づくりのヒントになることもあります。事業と事業の間をつなぐことで、今までになかった価値を生み出せる可能性があります。
「できない理由」より「できる方法」を考える
新しいことを始めようとすると、できない理由はたくさん見つかります。
- 人が足りない。
- お金がかかる。
- 前例がない。
- 制度上難しい。
- 失敗するかもしれない。
もちろん、こうしたリスクを考えることは必要です。しかし、できない理由だけを並べていたら、新しいものは何も生まれません。
大切なのは、課題を理解したうえで、
「どうしたらできるか」
を考えることです。
- 一社だけでは難しいなら、他の法人と組む。
- 職員だけでは難しいなら、地域の人に協力してもらう。
- 大規模に始められないなら、小さく始める。
- 既存制度だけでは難しいなら、新しい仕組みを考える。
- 地域課題の解決には、一つの正解があるわけではありません。
だからこそ、柔軟に考え、さまざまな人と力を合わせることが必要です。
地域の声を、事業という形に変えていく
新しい事業をつくること自体が目的ではありません。私たちが目指したいのは、地域の困りごとを一つでも減らすことです。
- そのために必要であれば、新しい事業をつくる。
- 既存事業を変える。
- 他の法人や企業と連携する。
- 行政と協力する。
- 地域の人と一緒に考える。
手段は一つではありません。大切なのは、目の前にいる人の声から出発することです。
「こんなものがあったら助かる」
「こんな場所があったら安心できる」
「誰かに相談できたらいい」
その一言を、単なる要望として終わらせない。もしかすると、その声の先には、同じことで困っている何十人、何百人という人がいるかもしれません。だからこそ、地域の小さな変化や声に気付き続ける組織でありたいと思っています。新しい事業は、決して壮大なアイデアから始まるとは限りません。
- 一人の困りごと。
- 一人の職員の気付き。
- 一つの地域の声。
そんな小さなきっかけから始まり、やがて多くの人を支える事業へと育っていくことがあります。
Educarealize Groupはこれからも、地域の中にある小さな「困った」に耳を傾け、それを「ありがとう」に変えていける事業をつくり続けていきたいと考えています。
